gtdを挫折することなく続けるうえで、大きなカギを握るのが週次レビューを継続することです。週次レビューの負担を減らし、毎週続けるための実際のやり方と、ポイントを三つ、紹介します。
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gtdにおける週次レビューの必要性と効果
週次レビューは、毎週1回、gtdの①把握、②見極め、③整理のステップをやりなおすとともに、gtdのシステム全体をチェックして、新しい状況に合わせてシステムを更新する作業です。
gtdを始めて、最初の①把握、②見極め、③整理のステップを行うと、周りの「気になること」がすべて収集され、やるべき行動はリマインダーとして整理され、頭がスッキリとしたストレスフリーの状態を手に入れることができます。
しかし、新たな「気になること」は日々、生まれていきます。
1週間など、時間がたつと、gtdを始める前のような、周囲に気になることや必要な行動が、整理されないまま、たまった状態になり、それらがストレスの原因となります。
また、必要なタスクが整理されていないことで、仕事の効率性もgtdを始める前の状態のような低い状況に戻ってしまいます。
それらをすべてやり直し、システムを更新するのが週次レビューです。
週次レビューの意義や効果、考え方は、詳しくは「更新のステップ」の記事に書いています。
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週次レビューに難しさを感じる人が多い理由
gtdで仕事を効率化しようという人たちは、もともと日々の仕事や生活に追われ、分刻みのスケジュールをこなすような忙しい人たちが、ほとんどでしょう。
そうすると、週に一回、定期的に週次レビューの時間を取るのが難しい、ということになりがちです。
実際、アレンの本に書かれているような、本格的な週次レビューをするには、場合によっては数時間など、かなりの時間かかる場合もあります。
アレン自身も、週次レビューのための時間確保を、gtdを継続するためのもっとも難しい課題になる、と認めています。
このため、gtdをせっかく初めても、週次レビューがおろそかになり、だんだんとgtdのシステム自体が崩れていき、仕事や生活を効率化して、自分の時間を取り戻すという効果を得られない、ということになりがちです。
その一方、週次レビューには素晴らしい効果もあります。
レビューをやることで、頭の中がスッキリとし、次の1週間をがんばるための意欲がわいてきます。
毎週やっているうちに、この頭がスッキリとする快感が癖になり、いわば食事後に歯磨きをするように「やらないと気持ちが悪い」と感じる習慣になっていくでしょう。
そうなっていくために、週次レビューを継続するためのポイントが3つあります。
実際のやり方とともに紹介します。
週次レビューを挫折しないポイント1:二種類のレビューの流れを決めておく
週次レビューの詳しいやり方はアレンの本「はじめてのgtd」の260ページからに書かれています。
アレンの挙げている項目をもとに、自分の仕事や生活の環境にあわせて、自分なりのレビューの手順を作っていきます。
たとえば、複数のメールアカウントを使っているのであれば、それらすべてを順番にレビューする必要があります。
仕事で普段使っているノートが何種類あるか、週の中で定期的に開かれる会議の資料でレビューでチェックする必要があるものにどんなものがあるか、エバーノートなどのアプリを使っているかなど、自分にとって必要なレビューの項目を、考えていきます。
レビューに必要な項目がわかったら、どんな手順でチェックしていくのが効率的か、手順を考えて、メモなどにして残しておきます。
また、私自身はgtdのタスク管理アプリnozbeを使っており、後で書くようにテンプレートという機能で、週次レビューの手順を登録してあります。
簡易版と本格版、二種類のレビューの必要性
ポイントはこの際、本格版と簡易版の、二種類のレビューの手順を作っておくことです。
アレンの挙げている項目をもとに、すべてをチェックする本格版のレビューを考えると、最低でも1時間以上、場合によっては数時間かかるようなものができるでしょう。
これを、忙しい毎日を送る人たちが毎週1回やる、というのは、現実的ではありません。
時間がない時や、仕事に追われているときにでもできる、30分から1時間弱でできる手順を別に考えておきます。
簡易版のレビューでは、毎週必ずチェックしておかなくてはいけないノートやメール、資料などにしぼって、レビューを行います。
チェック項目は必要最低限に絞りつつも、依頼されていたタスクのチェック漏れなどが起きないように、チェックが必要なものは必ず全部入れておきます。
私自身は、普段のレビューは基本的にこちらの簡易版を行っています。
生活や仕事上のタスクの多くは、これだけでカバーできます。
そして、数カ月に一度、仕事に余裕があるときに、本格版で自分の抱える仕事や生活の全領域をレビューして更新する、という流れで週次レビューを行っています。
簡易版レビューの、実際のステップ
私自身の簡易版レビューの実際の流れを、固有名称などを変えて一般的な形で紹介すると、以下の9つのステップになります。
なお、ステップの中に出てくるnozbeは、gtdのタスク管理の専門アプリで、おすすめのツールです。
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テンプレートに簡易版のレビューの手順を登録しておく |
①仕事関係とプライベートのメールのチェック
メールソフトなどを開き、インボックスにあるメールをすべてについて、「あるべき姿」と「そのための具体的な行動」を見極めていきます。
メールは「要行動」「プロジェクト」「評価」「保存」などのフォルダに振り分けていきます(フォルダの考え方は、詳しくは、メールのワークフロー整理の記事に)。
インボックスが空になったら、各フォルダを見直します。
もう行動が終わったメールが「要行動」に入っていないか、プロジェクトのフォルダに分類していたメールに新たに必要な行動が発生していないかなど、各フォルダを最新の状態にしたり、メールに書かれた内容から来る必要な行動がないかなどをチェックします。
これにより、連絡されていた仕事を忘れていた、といったミスがなくなります。
多くの人が、仕事用とプライベートなど複数のメールアカウントを使っているでしょう。
すべてのアカウントについて、上記の作業を行います。
②机にある書類のインボックスの見極め
続いて書類のインボックスを見極めます。
書類関係もメールと同じワークフローの考え方で、「要行動」「プロジェクト」「評価」「保存」などのファイルか書類トレーを作っておきます。
インボックスの書類を一つひとつ取り出し「あるべき姿」と「具体的な行動」を考えます。
必要なら、「取るべき行動」などを書類にメモしたり、付箋に書いて付けたうえで、各フォルダに書類を移し、各フォルダの内容も更新します。
これにより、書類で依頼されていた仕事や、書類で残してあるタスクのチェック漏れをなくし、タスクを最新の状態にあったものにできます。
③仕事の関係のノートの見返し
前回の週次レビュー以後のノートのページを見返します。
やるべきタスクを忘れていないか、会議の内容メモなどから、必要なタスクや、他の人に依頼すべきことがないか、チェックし、あればNozbeのインボックスに入れたり、2分ルールで処理できるものは処理してしまうなど、必要な作業を行います。
エバーノートなどのメモアプリを使っているなら、そちらも1週間の間に作ったり更新したノートをチェックし、必要なタスクなどがないか確認します。
④会議の関連資料の見返し
ノートと同じく、前回のレビュー以降に開かれた会議の資料やメモなどもチェックし、やるべきタスクなどが埋もれていないか、チェックします。
タスクがあればNozbeのインボックスに入れたり、2分ルールで処理します。
1週間のなかにある定例的な会議、臨時で開かれた会議などをすべてチェックします。
⑤カレンダーの過去一週間と、未来のチェック
手帳やグーグルカレンダーなど、自分のカレンダーを一週間分、細かくチェックします。
「●●さんと打ち合わせ」といった過去の日程から、「打ち合わせで頼まれていた資料を探しておかないと」といったタスクを思い出すことがあります。
また、将来のスケジュールについて、いまのうちにやっておくべきタスクがないかもチェックします。
⑥連絡待ちカテゴリーの内容を見直す
gtdの管理に私が利用しているnozbeでは、他の人に依頼したタスクに「連絡待ち」のカテゴリーをつけて管理します。
このカテゴリーをチェックし、締め切りが近いのに、何の連絡もないもの、締め切りがすぎているのに来ていないものなど、問い合わせが必要なものがないか、確認します。
⑦Nozbeのインボックスを空に
一週間の間に、nozbeのインボックスには登録したさまざまな「気になること」が登録されています。
また、週次レビューのここまでのステップで思いついた「気になること」も登録されています。
これらのインボックスにたまった「気になること」を一つ一つ見極め、必要なカテゴリーなどをつけて、プロジェクトに登録します。
インボックスが空になるにつれ、「必要なタスクがすべてシステムに入った」というスッキリ感が生まれ、ストレスフリーの状態に近づいていくのを実感するでしょう。
⑧Nozbeのチームモードで行動を最新に
nozbeのチームモードは、一人で利用するときにも、週次レビューで便利に使えます。
gtdのチームモードでタスクを見ると、自分のプロジェクト、タスクをすべて一覧で見られます。
委託したものなど、自分の行動ではないタスクも一覧に入っています。
このリストから、終わったタスクや、行動の内容が変わったタスクをチェックし、最新の状態に更新していきます。
gtdのシステムが、いまの自分の最新の状態と合致し、「あとは実行するだけ」という安心感と集中力が生まれてきます。
⑨時間があれば一週間コンパスを更新する
7つの習慣の一週間コンパスは、gtdと相性がよいツールです。
私自身、週次レビューの時に、今週分のコンパスの見直しと、次週分のコンパス作成をしています。
人生で果たすさまざまな役割を、一週間のなかにバランスよく配置し、実行していくことができるからです。
しかし、忙しい時には、その時間も惜しいことがあります。
その時は、次の一週間のどこかでコンパスの更新ができるよう、タスクとして登録しておけば大丈夫です。
以上で、週次レビューの簡易版の9つのステップは終了です。
こうした流れを参考に、自分なりの簡易版のレビューの流れを作ってみてください。
簡易版の週次レビューの流れを決めておくメリット
私自身の場合、先ほどの簡易版の週次レビューなら、ゆっくりやって50~60分、早くやれば20~30分あれば終わらせることができます。
どんなに忙しい時でも、それくらいの時間なら、すき間の時間を見つけて、週次レビューをすませることができるので、週次レビューの負担感が大幅に減り、継続しやすくなります。
また、 簡易版のレビューといっても、これらをやれば、今週一週間起きた出来事や会議、来たメールや仕事の依頼がすべてチェックされ、「気になること」をすべて収集して見極め、タスクやリマインダーとして登録されます。
必要なことは、すべてGTDのシステムに載せた、という安心感が生まれます。
頭がスッキリとして集中力や仕事への意欲が高まるので、私自身は、週末までずっと忙しくて重要な仕事を抱えている時ほど、最初に20~30分かけて週次レビューを済ませてしまい、集中力を高めてから、重要な仕事にとりかかる、という使い方も、よくやります。
実行する際は、時間をタイマーなどではかりながらやると、経過時間を見ながら効率を意識してレビューをやれるので、さらに効果的です。
また、普段は簡易版のレビューで済ませていても、何度かに1回(私自身は数カ月に1回)は、本格版のレビューで徹底的に更新のステップを行うことが大切です。
週次レビューを挫折しないポイント2:レビューの手順を記録し改善する
週次レビューを継続させる2つめのポイントです。
週次レビューの手順は、毎回、同じやり方でできるよう、本格版も簡易版も手順をメモなどで残しておきます。
また、実際にやってみるなかで、順番ややり方などを改善し、メモに反映していきます。
週次レビューをできるだけ負担を軽くしながら、すべての「気になること」をきちんと把握し、見極め、整理できるよう、より効率的なやり方を工夫していきます。
レビューの手順を変えたり、チェックの方法もより早くできるものに改善していくのが大切です。
また、仕事や生活の状況が変われば、レビューが必要な新たな項目ができたり、いらなくなる項目も出てきます。
レビューの内容や手順も、それに合わせて更新していきます。
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nozbeのテンプレートを週次レビューに使う手順
レビューの手順の記録と改善は、メモなどの形でやってもよいですが、おすすめなのがnozbeのテンプレート機能を使うことです。
テンプレートは繰り返し実行するプロジェクトの手順を登録しておき、実行する際に呼び出して作成することができる機能です。
詳しい使い方はnozbeの公式サイトなどに書かれています。
以下が、レビューのテンプレートをつくる具体的なやり方です。
・プロジェクトとして、「週次レビュー●年●月作成」などをつくる
・普段の週次レビューの流れに沿って、行うことをタスクにして、カテゴリーを付ける
・タイマーで時間を計りながら、そのタスクを実行し、終わったところでかかった時間をもとに、必要時間をつける。そのうえで、実行済みにチェックする
・次の項目をタスクにし、同じようにカテゴリーと必要時間をつける
・すべてのレビューが終わったら、プロジェクト表示の右上にある「i」ボタンから、テンプレート作成を選ぶ
レビューの手順をこのようにして、テンプレートに入れておけば、そのテンプレートから、同じ内容のプロジェクトをいつでも作成できます。
テンプレート登録のメリット
nozbeのテンプレートでレビューを登録しておくことには、いくつかのメリットがあります。
まず一つ目は上記のように、実際にやったレビューの作業をもとに、テンプレートを登録できることです。
最初に手順をつくるときはもちろん、これまでのレビューを見直し新たな手順を作る際などにも、頭の中で考えるだけではなく、実際にやってみて、その手順からテンプレートをつくることができます。
二つ目のメリットは、テンプレートに登録しておくことで、手順の改善が非常にやりやすいことです。
登録したテンプレートは、タスクの順番を入れ替えたり、項目を変えたり、編集が自由にできます。
毎週、テンプレートをもとにレビューをやるなかで、よりよいやり方や、新たな項目など、改善すべきことがあったら、その都度、テンプレートに反映しておくことで、レビューの手順を改善していきます。
三つ目のメリットは、nozbeのテンプレートの各項目には、通常のタスクと同様、コメント機能から、チェックリストやメモ、エバーノートのノートなどを添付することができることです。
例えば、メールをチェックするときによく使うショートカットを、コメントに書いておけば、忘れた際も調べなおす必要がありません。
また、週次レビューの際に、毎回、行う細かい作業があれば、チェックリストにしておけば、それをもとにレビューの際に忘れることなく実行できます。
レビューで参照しなくてはいけない資料を、エバーノートのノートとして添付しておけば、毎回、探し出す手間がはぶけます。
nozbeのコメント機能は、このほかにも、工夫次第で様々な活用方法があり、細かい手間を大幅に省くことができる、便利な機能です。
週次レビューを挫折しないポイント3:日常的な行動を週次レビューに関連付ける
3つ目のテクニックとして、普段の仕事や生活から、週次レビューの負担を減らし、時間がかからないように心がけることがあります。
先ほどの短縮版の週次レビューに出てくる項目は、多くが、週次だけでなく、日々のレビューでもコアになる部分です。
例えばnozbeのインボックスを週に一回、まとめて空にするより、毎日こまめに空にしておく方が、レビューの負担が少なくなります。
特に、メールのインボックス、書類のインボックス、Nozbeのインボックスは、多くのものがたまることがないよう、頻繁に見極め、整理してインボックスゼロを目指しておく方がよいでしょう。
さらに、すき間時間があれば、インボックス以外の要行動やプロジェクトのフォルダにあるメールや書類のフォルダについても、見極めや整理をして、必要ない書類や、もう用事がすんだメールが残っていないかなどをチェックし、常に最新の状態にしておきます。
これは、メールや書類で依頼された仕事を、先送りせず、早めにこなすことにもつながります。
ノートの使い方を週次レビューに関連付けるための工夫
ノートについても工夫すべきことがあります。
何かあったときに、メモなどを書き込むノートは、なるべく1つのノートに統合します。
多くのノートがあれば、レビューに当然、時間と手間がかかります。
一つのノートだけをレビューすれば、週次レビューが終わるようにすることが理想です。
また、この習慣があると、逆に、「このノートに書いておけば、必ず、週次レビューで見直す」という、自分への信頼も生まれます。
忙しい時に急に仕事を頼まれることがよくあります。
そういう際も、ノートにとりあえずメモしておきます。
遅くとも、週次レビューの時には必ず、そのメモを見て気づくので、新たなタスクについては頭から追い出しておき、目の前の仕事に集中できます。
私自身は、こういう週次レビューでチェックしたいメモをするときには、二重丸をつけておいたり、taskやreviewと横に書いておいたり、しています。
パッと見て、週次レビューでチェックする必要がある項目だと、レビューの際に気づくことができるので、見落としを防ぐことができるし、レビューの効率性をあげることにもつながるからです。
gtdで週次レビューを継続する意義とは。頭をスッキリさせ集中力を高める
週次レビューをやることで、気になることをすべて頭の中から追い出し、やるべき仕事のリマインダーが整理され、頭がスッキリとして仕事の意欲や集中力を高めることができます。
メリットの多い週次レビューですが、毎週1回、実行するのが負担が大きいという人も多いでしょう。
週次レビューをする時間は、大まかに毎週、曜日と時間を決めておくとよいでしょう。
私の場合は週末の午後、仕事の合間を作ってやることに決めています。
歯磨きのように、週末になると、やらないと気持ちが悪い、という状態になれば、継続は簡単です。
習慣になるまでは、週次レビューの継続にはさまざまな困難があります。
なるべく負担を軽減し、続けやすくすることが、継続のポイントです。
特に、ここで紹介した簡易版のレビューの手順を決めておくことは、gtdを継続するためのとても重要なおすすめポイントです。
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