予備知識不要!nozbeで始めるgtdタスク管理の基礎

2021/09/17

②gtdの始め方

t f B! P L

 「忙しさで、タスク管理がうまくいかない」「大事な仕事を忘れていたり、ミスが続いている」、そんな悩みを持つ人には、gtdのタスク管理がおすすめです。

gtdの専門ツールnozbeを使えば、予備知識がなくても、すぐに本格的なgtdのタスク管理が始められます。

予備知識ゼロから始めるgtdタスク管理


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nozbeで始めるgtdタスク管理のメリットとは?30分~1時間で効率的なタスク管理が可能に

gtdは世界的に有名な仕事効率化の技術です。

こちらの記事では、gtdの提唱者であるデイビッド・アレンの本を読むことから始める、本格的なgtdの始め方を書きました。


しかし、時間がなくて、本格的なgtdに取り掛かることは、なかなかできないという人も多いでしょう。


gtdの専門ツールであるnozbeを使えば、予備知識がなくても30分~1時間ほどの時間があれば、gtdの中核である、プロジェクトやとるべき行動などを管理する、タスク管理をスタートすることができます。


nozbeによるタスク管理を導入すれば、「仕事でミスをしなくなる」「忙しくてもタスクを管理し、効率的にこなせる」など、gtdの効果を実感できるでしょう。

そうやって、gtdの効果を実感してから、また、仕事や生活がタスク管理でコントロールできるようになったら生まれるであろう、時間や気持ちの余裕を使って、本格的なgtdをスタートさせるのも一つの方法です。

この記事では、nozbeによるタスク管理の導入の流れとともに、gtdのタスク管理の基本的な考え方を、少し丁寧に説明していきます。


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nozbeで始めるgtd

nozbeで始めるgtdタスク管理の概要。5つのステップとそれぞれで実際にやること


gtdでは、こちらの記事で書いたように、「5つのステップ」によって、日々の仕事や、やるべきことを効率的に達成していきます。


① 気になることすべてを「把握する」

② それぞれが何を意味するか、どのような対応をすべきか「見極める」

③ ②のステップで明らかになった内容を「整理する」

④ 行動の選択肢を「更新する」

⑤ 何をするべきかを「選択する」


gtdを、nozbeによるタスク管理から始めるなら、以下のような流れでやるとよいでしょう。



1. 「把握する」では、30個を目標に、nozbeのインボックスに「気になること」を書き出す

2. 「見極める」と「整理する」は、nozbeの機能で同時に実行する

3. 「選択する」で、実行するタスクの選択は自動作成される各リストから選ぶ

4. 「更新する」のレビューは、上記の1,2の把握、見極め、整理を改めて行う

以下、それぞれの実践例を具体的に書いていきます。


nozbeの無料トライアルに登録する方法

nozbeのアカウントを、まだ持っていない場合は、以下の公式サイトへのリンクからアクセスし、1か月の無料トライアルを登録できます。

nozbe公式サイト


nozbeで使うユーザー名と、メールアドレス、パスワードを決めて、それを入力するだけで、無料トライアルを始められます。


無料トライアルでは、1か月間、nozbeの機能を制限なく利用できます。

その期間に、以下のような、nozbeのタスク管理を実際に試してみるとよいでしょう。

効果を実感できたら、また、自分に合うと感じたら、有料版に移行するというのが、おすすめの方法です。




有料版の利用料金は、2021年7月現在、1人利用の場合の年額の場合で月880円分(年額10560円)です。


他のタスク管理アプリに比べると、少し高めですが、月あたり880円、コーヒー1、2杯の値段です。


それだけの値段で、タスク管理が格段にうまくなり、時間を効率的に使えるようになるなら、十分に払う価値がある値段だと私は感じています。

また、上記のリンクとも同じアフィリエイトプログラムから年額払いによる利用を申し込むと、1か月分の利用料金が無料になる(1か月分、利用期間が延長される)サービスを受けることができます。



gtdの第一ステップ「把握する」。まずは「気になること」を30個を書き出そう

まず、nozbeのinboxを開き、自分の頭の中にある「気になること」「やるべきなのにやっていないこと」を書き出していきます。

「気になること」は頭の中にある、または、周りを見渡して、「うまくいっていないこと」「ほったらかしていること」のすべてです。

これは大事ではない、とか、こんなことは書き出さなくも、といった判断はせず、思いついたらすべて書き出していくのが大切です。

トイレの電球を買わなきゃ、という「トイレの電球」の項目の後に、「温暖化で溶ける北極圏の氷」が来ても良いのです。

やらないといけないこと、気になることをどんどん書き出し、最低、30項目はインボックスに登録します。

30個の「気になること」を書き出す

30個の「気になること」を書き出す


頭のなかにある「気になること」をinboxという外部に書き出していくにつれ、「頭の中のモヤモヤがすっきりとして、頭脳のメモリーが解放されていく」、そんな感覚を味わうことができるはずです。

頭の中の「気になること」を何でも

家のこと、家族のこと、仕事のこと、取引先のこと、自分の周囲のさまざまなことを思い浮かべ、何か「気になること」が残っていないか考え、見つけたらどんどん書き出していきましょう。

もちろん、書き出す気になることは、50個でも100個でも構いません。

ただ、逆に10個とかしかないのなら、「気になること」を頭の中にとどめてしまっている状態でしょう。

「こんなこと書くより、覚えておいたほうが良い」「書いてもしょうがない」といったことを考えず、思い浮かんだ「気になること」をどんどん書き出していきます。


第2ステップ「見極める」と、第3ステップ「整理する」の具体例


次に、登録した「気になること」を1つひとつ見極め、タスクやプロジェクトとして登録していきます。

nozbeの便利なところは、 gtdの5つのステップの②見極めると、③整理するを、一体で済ませられるよう設計されていることです。

これにより、ステップ⑤の「選択する」で必要になる、さまざまなリストが自動的に作成されます。


nozbeの実際の画面を見ながら、「気になること」を見極め、整理していく過程を見ていきます。

例として、先ほど登録した「気になること」から最初の3つを、取り上げてみます。


具体例1「トイレの電球」が気になるなら。あるべき姿を見極める

まず、「トイレの電球」という気になることを例にとると、以下のように見極めと整理を行います。




見極めでは、それぞれの「気になること」について、「あるべき姿」と、「取るべき行動」を考えます。

この場合は簡単で、あるべき姿は「電球が直った状態」、取るべき行動は「電球を買うこと」でしょう。


gtdでは、タスクの背後にある目的や、タスクを達成して実現するべき「あるべき姿」を「プロジェクト」と呼びます。

こうした「あるべき姿」はたいていの場合、1つの行動ではなく、「複数の行動」によって達成されるからです。


「トイレの電球」という「気になること」であれば、新しい電球を買うという行動、その電球を古い電球と交換するという行動を経て、目的が達成されます(この場合は、あまりに簡単な目的なので、プロジェクトと呼ぶのは大袈裟ですが)。


具体例1ー① あるべき姿をプロジェクトとして登録する


ある行動やタスクをやるときに、その先にある、何かを達成したいという目的、それが、プロジェクトです。


多くのプロジェクトでは、ある一つの行動をとったときに、「あるべき姿」に近づくため、次の何かの行動を、忘れずにタスクとしてnozbeに登録する必要があります。

そのために、nozbeに「プロジェクトリスト」を作っておく必要があるのです。


例えば、「企画会議の資料を書く」という「気になること」なら、目的は「企画会議の成功」などでしょう。

「企画会議の成功」というプロジェクトをプロジェクトリストに登録しておきます。

資料を書くというタスクを達成したら、企画会議に向けて次に、どんな行動が必要か考え、タスクとして登録します。



nozbeのプロジェクトをクリックすると、プロジェクトリストとそれぞれのプロジェクトに登録されたタスクの数が表示されます。


リストを見て、「次の行動」が一つも登録されていないプロジェクトがあれば(そして、そのプロジェクトが達成されていないならば)、何かの行動をそのプロジェクトに登録しないといけない、と気づくことができます。


プロジェクトリストは、タスクの向こうにある「達成すべき目標」をリストにしておき、それらの達成のための行動を忘れずに、タスク化していくためのリストなのです。



ただし、「トイレの電球」という、今回の「気になること」の場合は、本来なら、あるべき姿である「電球が直った状態」を「プロジェクト」に登録することになりますが、今回はごく簡単なプロジェクトなので、いちいちプロジェクトに登録していくと、わずらわしいでしょう。

電球を買って帰れば、多くの人が忘れる間もなく、トイレに行って電球を交換するでしょうから。


雑多なプロジェクトを管理する便利な方法とは

こういう際は、以下の画面写真のように、さまざまな雑多なプロジェクトを登録する「生活や仕事をよりよく」プロジェクト(名前は、私の場合なので、好みで構いません)に登録しています。



続いてタスク名を、次にとるべき行動の内容がわかりやすい、「電球を買う」に変更します。

これで具体例1「トイレの電球」の見極めと整理の第一段階は終了です。


ここでは、プロジェクトリストの考え方、プロジェクトにするまでもないタスクの処理の仕方を、合わせて説明しました。

プロジェクトとタスク名を変更


プロジェクトとタスク名を変更した画面


具体例1ー② タスクを実行するコンテキストを設定する

具体例1の見極めと整理を引き続き行います。


続いて行うのは、nozbeの、カテゴリーや所要時間、日次などの機能を、各タスクに付けることです。



今回の電球を買うのタスクの場合、外出時に済ませるものなので、「shopping雑用」のようなカテゴリーをつけておきます(英語にしているのは呼び出すのに便利だからですが、好みで構いません)。

タスクに必要な時間は、なにかのついでに済ませるものなので、一番短い5分にしておきます。

タスクを実行する日付は、できるだけ早く、いつやっても良いタスクなので、特につけません。

また、自分で行動するタスク(他人に依頼しない)なので、星マークをクリックし、行動リスト(nozbeの表示名は、「プライオリティ」リスト) に表示されるようにします。


見極め、整理を終えたタスクは以下の画面のようになります。

カテゴリーや所要時間をつける

見極めと整理が終わったタスクの状態



所要時間や、カテゴリー(これについては、この後で説明します)、実行する日付などを付けることで、タスクの内容がより具体的に定義されるのです。


このなかでも特に重要なのが、カテゴリー(コンテキスト)の機能です。


カテゴリー(コンテキスト)は、どんな状況や手段で、そのタスクを実行するかを分類するためのものです。

 gtdが提唱した便利な考え方の一つです。




タスクを、職場でやるタスク、家でやるタスク、外出中にやるタスク、あるいは、パソコンを使ってやるタスク、メールを使うタスク、書類の仕上げのタスク、調べもののタスク、というように、実行する場所や手段、種類によって事前に分けておくのが、コンテキストの考え方です。



職場にいるときは職場のカテゴリーのリストを見れば、その時に実行できるタスクが一覧でわかります。

あるいは、パソコンの前に座っているなら、パソコンのカテゴリーのリストを開き、実行するタスクを選びます。


これにより、いま自分がパソコンの前にいるのか、メールを打っているのか、家にいるのか、などおかれている状況に応じて、自分がやるべきタスクを効率よく見極めて実行に移すことができるようになります。

コンテキストの具体例とは

nozbeを初めて使うなら、以下のようなカテゴリーを登録しておくのがおすすめです(自宅で仕事をしているのか、オフィスに通っているのかなど、条件によって異なるので、一般的なカテゴリーです。また、私自身は検索しやすいように、英語名のカテゴリーにしています)

・タスクを実行する場所のカテゴリー

職場

自宅

外出時

どこでも

・タスクを実行する手段のカテゴリー

パソコン

電話

メール

スマホ

紙とペン

ネット検索

・タスクの種類のカテゴリー

情報収集

情報整理

ブレスト

書類作成

会合

読む、評価

・その他のカテゴリー

連絡待ち



なお、新しいカテゴリーを作りたい時は、下のように、各タスクにカテゴリーを設定する画面の一番下にある、add category(カテゴリーを追加)から追加できます。

カテゴリーの追加画面

カテゴリーやプロジェクトの追加は、それぞれの一番下から



先ほどの具体例では、カテゴリーは一つだけ付けましたが、どこでやるか、手段は、仕事の種類は、というように、複数つく場合の方が多いでしょう。


たとえば、気になることが「会議に提出する企画書をつくる」といった内容だったら、どうでしょうか。

企画書をつくる、と一般的に言っても、今、自分の作業がどの段階にあるかによって、やるべき行動は大きく変わります。


・企画書に入れるべきデータをネットで検索する

・集めたデータをもとに、企画書の内容をどう書くか、紙とペンで一人でブレストしてみる

・関係者の意見を聞くために、会合をセットするための電話をかける

・企画書に必要な予算計画をつくるため、メールで見積もりを依頼する

・ほぼ内容は固まっているので、第一次案を仕上げるためパソコンに向かう


思いつくままに、書いてみました。

行動の内容が固まれば、タスクの名前をそれに合わせて変更するとともに、必要なカテゴリーを付けていきます。


「気になること」の「あるべき姿」と「取るべき行動」を考え、それに合わせたカテゴリーをつけていくことで、最初は漠然としていた「気になること」について、自分がいまどんな行動をとる必要があるのか、どんな手段を使って達成するのか、より具体的なイメージを持つことができます。

これがgtdのカテゴリーの考え方です。


また、カテゴリーを付けることで、カテゴリーごとに分類したタスクのリストがnozbe上に自動的に作成されます。

このリストは、第5ステップの「選択する」で使用します。


これで具体例1「トイレの電球」の見極めと整理は終了です。


見極めと整理の第二段階では、gtdのカテゴリー(コンテキスト) の考え方と、カテゴリーをタスクに付けることで、取るべき行動をより具体的に見極め、定義することができることについて、説明しました。


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具体例2「A社に電話」が気になるなら。見極めで、タスクの内容が変わる場合も

続いて、気になることの二つ目にある「A社に電話」の見極め、整理を実践してみます。




一見すると、あるべき姿は「A社に電話する事」、タスクも「電話すること」のようですが、実際は違います。

A社に電話するのは、何かの用件があり、それに関する目的があるから、のはずです。




例えば、電話の目的は、「A社との取引で、契約書をつくるために、不明点があるので問い合わせる」といったことでしょう。

この場合、あるべき姿は「A社との契約書をつくる」、ないしは、もっと進んで「A社から契約をとる」ことです。


これらを「あるべき姿」として、プロジェクトに登録し、このタスクに設定します。




次に、取るべき行動を考えます。

一見すると、「A社に電話して、不明点を聞く」のようですが、これも、よく考えると違う場合が多いでしょう。

取引先であるA社に聞く前に、自社のB部門に問合せして、A社との取引でどういう打ち合わせをしたのか、聞いておく必要がある、といったことは、よくあります。



そうやって見極めると、この場合、まず取るべき行動は「B部門への問い合せ」となります。


あるべき姿と具体的な行動をよく見極めることで、a社に電話するという、一見タスクに見える行動に隠れた、本当のプロジェクトやタスクがわかり、B部門への問い合わせという、最初に取るべき行動を見出すことができます。


仕事で、やるべきことをまとめたtodoリストを作る人は多いでしょう。

そうしたリストには、必ず、書き出したものの、ずっとそのまま放置される項目が、(しかも多数)あるはずです。

放置される原因の一つは、今回の「A社に電話する」のような、一見、タスクに見える、しかし、実際は「本当に必要な行動」を表していない項目が、todoリストには多く含まれているからです。


gtdを実践することで、仕事の効率化ができ、早く達成できるようになる理由の一つが、これです。

nozbeの機能に従い、インボックスに書き出した「気になること」を見極め、実行に必要な時間やカテゴリーをつけていくだけで、「本当に必要な行動は何か」がわかり、漠然とした「気になること」が、必要となる明確な行動に転換されます。

見極め、整理でこうした行動のリストができれば、次は、選択するのステップで、それらをどんどん実行に移していくだけです。

複雑なプロジェクトを設定し、管理する方法


具体例「A社に電話」に戻ります。

プロジェクト「A社の契約を取る」を作成してこのタスクに設定、タスク名は「B部門への問合せ」に変更します。

B部門にはパソコンから、メールで問合せしよう、となると、カテゴリーには「pc」「メール」を設定します。

メールを書くのに必要な所用時間は10分くらいでしょうか(所要時間を設定します)。

もし、そのメールを明日までに必ず出さなくてはいけないといった締め切りがあるなら、日付を1日後に設定します。

自分で行動するタスクなので、星マークもチェックし、要行動リスト(nozbe上の名前は「プライオリティ」リスト)に表示されるようにしておきます(部下や同僚にB部門への問合せを依頼したなら、星マークを付けず、カテゴリーは「連絡待ち」を設定、所要時間も、なしにしておきます)。

見極め、整理したタスクは、以下のような状態になります。


A社のタスクを見極めた状態

A社に電話のタスクを見極め、整理した画面


以上で、具体例2の見極め、整理は終了です。

ここでは、見極め、整理することで、一見、タスクに見える「気になること」の背後にある、本当に必要な行動を見出すことが、gtdの大切な考え方であることを説明しました。



具体例3「温暖化で溶ける北極圏の氷」が気になるなら。当面行動しない「気になること」の見極めについて


3つ目の「気になること」である「温暖化で溶ける北極圏の氷」に移ります。

これまでと同様、見極め、整理をしてみて、何かいま行動をとりたいことが思い浮かんだ、ということなら、それを登録します。

例えば、温暖化の分野を研究する大学教授の講演会がないか調べてみたり、温暖化の問題について学べる本を探してみたり、といったタスクです。


逆に、見極めてみると、いま仕事に忙しい時期で、温暖化のことも気になるが、当面は行動には移せない、ということもあるでしょう。

その際は「いつかやること」として登録しておくことになります。


ここでは環境問題を例にしましたが、会社の業務でも「新たな人材獲得」とか「新たな営業分野を見出す」といった、いつか手を付けなければいけないが、今は手がつかない、という「気になること」がリストに並ぶことがあるでしょう。


こうした、今は行動しない「気になること」については、「いつか」といったプロジェクトを作り、こうしたタスクを登録しておきます。

いずれ時間ができた時に、学んだり、行動を起こしたりするための、備忘録とするためです。

いつかプロジェクトに登録したものは、行動などはとらないので、星マークや、カテゴリー、必要時間などはつけません。

タスクは次のような状態になります。


温暖化に関するタスクの見極め

温暖化で溶ける、、、のタスクの見極めを終えた画面


以上で具体例3の見極め、整理は終了です。

ここでは、いつか取り組みたいけど、いまは行動できない、しない「気になること」は「いつか」といったプロジェクトに収集しておくという考え方を説明しました。


見極めと整理で大切なこと。プロジェクトとコンテキストの使い方について


見極めと整理のステップのまとめとして、gtdとnozbeのタスク管理にとって非常に大切な考え方である、プロジェクトとコンテキスト(カテゴリー)の使い方について、それぞれ、改めて説明しておきます。

プロジェクトは複数の行動を管理するためのもの

まず、プロジェクトは、具体例1で書いたように、その気になることの「あるべき姿」をもとに、つくります。

そうしたプロジェクトをまとめたプロジェクトリストが、nozbeでは自動的に作成されます。


プロジェクトリストがあれば、何かタスクを実行した時に、それによってもう「あるべき姿」を達成したのか、それとも、何か次のタスクをnozbeに継続して登録する必要があるのか、考えるためのリマインダーとして役立ちます。

第4ステップの「更新する」でレビューをするときなどに、プロジェクトリストを見返し、タスクが登録されていないプロジェクトがあれば、次のタスクを登録します。


また、いくつか登録しておくと便利なプロジェクトがあるので、ここで紹介しておきます。


まず、雑多なプロジェクトを入れる「生活や仕事をよりよく」(名前は、ライフ、でも、雑多なもの、でも、自分の好みで付けてよい)です。

具体例1で書いたような「トイレの電球を直す」といった簡単なタスク、プロジェクトを新たに登録するには細かすぎるタスクをまとめ、雑多なものを登録するプロジェクトです。


また、今は取り組まない「気になること」を忘れないように保存しておく「いつか」も、大切なプロジェクトです。

具体例3で説明したような、いまは行動しないけど、いつか取り組みたいことを登録しておきます。

「いつか」プロジェクトをたまに見返すと、「英語を勉強する」とか「ギターを弾けるように」、あるいは「難民問題を学ぶ」など、自分がいずれ取組みたいと思うものが並んでいて、モチベーションをアップさせてくれる効果もあります。

いつかプロジェクトに入れていた「気になること」に、いつのまにか自分が取り組み始めていた、ということもあるでしょう。

コンテキストで行動を仕分けする

次に、カテゴリー(コンテキスト)について説明します。

具体例1で書いたように、カテゴリーは、各タスクをやる場所や手段、タスクの種類に応じて、作ります。

職場でやるタスク、家でやるタスク、スマホなどを使ってどこでもやれるタスク、パソコンの前にいる時にやるべきタスク、紙とペンを使ってやるタスクというように場所や手段に応じてタスクを分類し、「いまこの状況(コンテキスト)でやれるタスク」を一覧化して取り出すのが、カテゴリー(コンテキスト)の役割です。


具体例1で、カテゴリーの例を挙げたように、自分の仕事や家の環境や、業務の種類に応じて、よく使いそうなカテゴリーを、あらかじめ登録しておきます。


カテゴリーの例のうち、連絡待ち(waiting for)について、追加で説明しておきます。

これは、自分でやらず、他人に依頼したり委託したタスクにつけるカテゴリーです。

「気になること」の見極めをやってると、いま取るべき具体的な行動が、自分でやるより、他人に任せるべきものの場合もよくあります。

その時は依頼のメールや電話を任せるべき人にしておくとともに、タスクには星や必要時間などはつけず、waiting forのカテゴリーだけをつけておきます。

カテゴリーをつけておくことで、相手が依頼を忘れてしまった場合などに、問合せや再依頼をするためのリマインダーになります。

第4ステップの「更新する」では、このwaiting forのカテゴリーもチェックし、依頼したけど返事がないタスクがないか、確認します。


30分から1時間で始めるgtdタスク管理

nozbeで行う初めてのタスク管理は、以上で準備終了です。

gtdのタスク管理の基本的な考え方も含めて、丁寧に説明してきたので、文章は長くなりましたが、最初の「30個の気になることの書き出し」から、書き出したものすべての見極め、整理まで、30分から1時間もあれば、達成できるでしょう。


これにより、頭の中にあった大量の「気になること」が頭脳の外に出てスッキリとした感覚が味わえるでしょう。

さらに「必要な行動」が見極められて、信頼できるシステムに預けられることで、安心感と、効率的に仕事を達成していく意欲もわいてくるはずです。


gtdのシステムが機能することで、仕事のミスがなくなるとともに、効率的に早く仕事を達成できるようになります。

続いて、こうして準備したシステムからどうタスクを選んで実行するか、また、システムを常に最新の状態に保つために何をするか、説明していきます。



第5ステップ「選択する」で便利な4つのリスト


説明の都合上、5つのステップの4「更新する」は後にまわして、5の「選択する」に進みます。


選択は、具体的なタスクを選んで実行に移していく段階です。

先ほどの見極め、整理によって、nozbe上に自動でできる各リストから、今とるべき行動を選んで、実行していくことになります。




取るべき行動の選び方では、以下の4つのやり方を必要に応じて使い分けると良いでしょう。

1.自分自身が行うべき行動として、星マークをつけたタスクが並ぶ「プライオリティ」のリストから選ぶ

2.気になるプロジェクトから、いま行動に移せるタスクを探す

3.コンテキスト=カテゴリーのリストから、自分が今いる状況に合ったタスクを見つける

4.カレンダーから、今日やるべきタスクを忘れてないかチェックし実行する




nozbeの諸リストの画面

nozbeでは、プライオリティやプロジェクト、カテゴリーなどが自動でリストになっている


4つのリストそれぞれの使い方

1.プライオリティリストから選ぶ

nozbeの見極め、整理のステップでは、「自分自身で行動するべきタスク」には、星マークをクリックしておきます。

星マークを付けたタスクの一覧は、「プライオリティ」のリストに並んでいます。


gtdの本来の呼び方でいえば「次に取るべき行動リスト」です。

あなた自身が行動を取るべきタスクはすべて、ここに一覧になっているので、リストを眺め、今の自分の状況や気分に合ったタスクを見つけて、どんどん実行に移していきます。


シンプルなやり方ですが、私のnozbeには数十~100個ほどの「次に取るべき行動」が登録されており、長いリストになっています。

このため、複数のプロジェクトに関係するので、どのプロジェクトに登録したか忘れてしまったタスクを探して実行するといった、どうしても全体の一覧で見る必要がある場合以外、あまり使わない方法です。



2.プロジェクト別のリストから選ぶ

プロジェクト別のリストは、先ほどの画面のプロジェクトをクリックし、プロジェクトリストが表示されるので、そこから必要なプロジェクトをクリックします。

その日、集中的に進めておきたい、重要なプロジェクトがあれば、この選択のやり方が適しています。

プロジェクトごとのタスクのリストから、できることを探し、順番にこなしていけば、そのプロジェクトを集中的に前に進めることができます。


3.カテゴリー別のリストから選ぶ

カテゴリーから、いま自分がいる状況に応じた、実行できるタスクのリストを選ぶ方法です。

gtdの考え方が、非常によく出た選択の仕方ですし、私自身が、もっともよく使う選択の仕方でもあります。

職場にいるならカテゴリーから「office(あるいは、職場)」を開いてクリックします。

パソコンを開いていて、やっていた仕事が一段落ついたら、次にやるパソコン上でこなせるタスクを探すために「pc」のカテゴリーを開いてみます。

今日は「書類の仕上げ」をやりたい気分の日なら、「writing」のカテゴリーを開き、そこに並んだタスクを順番にこなしていきます。

今、自分が置かれた状況、やりたい仕事の種類に合わせたタスクを効率よく一覧で取り出し、達成していくことができる、非常に便利な選択のやり方です。


4.カレンダーから選ぶ

これもよく使う選択の方法です。

見極め、整理のステップで、日付をつけたタスクがあれば、カレンダーに表示されます。

今日中に必ずやるべきタスクがないかを、カレンダーから確認し、最優先で実行していきます。


ただし、ここには一つ、注意点があります。

日付をつけるタスクは、なるべく少なくすることです。

todoリストのような通常のタスク管理では、日付をつけてタスクを分類することが多いので、ついつい、nozbeでも多くのタスクに実行する日付をつけてしまいがちです。

しかし、gtdでの、カレンダーの管理のポイントは、「カレンダーは聖域に」することです。

「なんとなく、この日にやろうかな」という程度のものには、日付は付けません。

そうしたものは、時間や労力があるときに、できる限り早く達成するタスクとして処理します。

締め切りがあるタスク、あるいは、ある特定の日にしかやれないタスクなど、必ずこの日にやらないといけないタスクにだけ日付をつけます。

この考え方を守ることで、先に書いたように、今日のカレンダーに設定されたタスクは、他のタスクをすべて後回しにしてでも、最優先で実行するべきタスクとなります。


以上が4種類の「選択する」のやり方です。


タスクを達成した場合の対処方法

次に、選択したタスクを実行し、達成したら、nozbeでどんな管理が必要になるかを説明していきます。


タスクを達成済みにするとともに、そのタスクが登録されたプロジェクトをチェックし、次にどんな行動が必要かを見極め、nozbeに登録します。



ここで、iphone版のnozbeの便利な設定を一つ、紹介します。


iphone版の場合、タスクのリストから、各タスクを右にフリックすれば「達成済み」、左にフリックすれば「そのタスクが入っているプロジェクトのリストに移動する」ように設定できます(設定の一般=generalから。他にも、いくつかの動作を左フリックに割り当てられますが、おすすめなのは、プロジェクトリストに移動する、です)。

フリックでの動作が選べる

設定から、フリックによる動作を変更できる



この機能を使って、タスクを達成したら、達成済みにする前に、そのタスクを左にフリックします。

そうすると、そのタスクが入っているプロジェクトに飛び、関連するタスクが一覧で表示されます。


PC版やブラウザ版のnozbeの場合は、タスクを表示し、右下にある三つの点をクリックすると「Show in project」があるので、それをクリックすると、プロジェクトに飛ぶことができます(iphone版でもこのやり方も可能です)。


プロジェクトに飛んだら、先ほど達成したタスクを達成済みにするとともに、プロジェクトの目的、すでに登録されているタスクなどを見て、新たなタスクが必要なら、それを登録し、所要時間や必要なカテゴリーを設定します。


もし、先ほどのタスクを達成したことで、プロジェクト自体も達成し終わったら、右上のiボタンから、「プロジェクトを完了させる(complete project)」を選び、プロジェクト自体を完了させます。

プロジェクトの完了画面

プロジェクトの完了は、右上のiから


タスクを達成済みにする瞬間や、プロジェクトの完了をチェックする瞬間は、nozbeを使っていて、気持ちのよい瞬間です。

自分自身を、ほめながら、達成や完了のマークをつけると、つぎのタスクの達成の意欲がわいてくるはずです。


また、時間がない時などは、プロジェクトは開かず、タスクの達成だけをしておくのも、手です。

私自身、そうする場合が結構あります。

新しいタスクを登録していなくても、次に説明する「更新する」のステップで、プロジェクトに必要な行動がないかをチェックするので、登録する時間がなければ、そのままでも大丈夫です。

第4ステップ「更新する」。週次レビューの重要性

gtdのシステムで、「気になること」を収集し、それらをタスクやプロジェクトとして登録しても、1週間など、しばらくすると、新たな「気になること」や必要なタスクが生まれてきます。

また、登録したタスクやプロジェクトも、実行済みになったものや、状況が変わって別のタスクが必要になるものが出てきます。


第4ステップ「更新する」は、週一回など、定期的に、gtdのシステムを最新に保つためにレビューをするステップです。


レビューでは、①把握、②見極め、③整理の各段階を、改めてやり直します。


nozbeのインボックスに「気になること」を書き込んでいくと、最初の把握の後で、新たに生まれた「気になること」が次々と浮かんできます。

それらをすべて書き込んでいきます。


把握した「気になること」は、先ほどと同様、すべて見極め、整理して、必要なプロジェクトやカテゴリーに振り分けていきます。



普段から週次レビューを意識しておく

また、「把握する」のステップでは、普段から、何か「気になること」を思いついたら、後回しにせず、nozbeのアプリを開いて、すぐに登録することを心がけるのも大切です。

何かの作業中、別のやるべきことを思いついたら、とりあえず、nozbeのインボックスに書き込んでおきます。

登録さえしておけば、いずれレビューの時に、そのやるべきことについては、「見極め」「整理」をすることができます。

思いついた項目名だけでもよいので、収集して頭から追い出し、目の前のタスクを達成することに、脳を集中させることができるのです。

思いついたタスクをすべて忘れずに、しかも、脳の効率を最大限生かして達成していく、そうしたgtdの効果を実感できるでしょう。


レビューでもう一つ大切なのが、gtdのシステムを更新することです。

達成し終わったタスクが残っていれば達成済みにし、状況が変わって新たな行動が必要になっているプロジェクトなどを見直し、新たな行動やプロジェクトを登録します。


このためには、nozbeのチームモードを使うと便利です。

チームモードから、「自分」を選ぶと、登録しているすべてのプロジェクト、タスクを一覧で見ることができるからです。

チームモードから自分を選ぶ

チームモードから、「あなた」を選ぶと全タスクが一覧でみられる


チームモードで見ながら、すでに達成したタスク、プロジェクトはないか、状況が変化して目的が変わったプロジェクトはないか、新たに発生したタスクはないかなど、必要に応じて削除したり、追加、修正したりして、gtdを最新の状態に更新していきます。


nozbeを使ったgtdで、効率的にタスク管理を達成する


以上が、nozbeを使った、gtdによるタスク管理を知識ゼロから始める方法です。

nozbeで始めるgtdタスク管理術


最初の把握、見極め、整理に30分から1時間ほどの時間を使えば、あとは数日おき、週1回など、定期的に更新=レビューの作業をすることで、gtdのシステムを最新の状態に保つことができます。


タスク管理に絞った、簡易版のgtdですが、タスクを忘れず、ミスなくこなせるようになる方法論を、あなたも身に付けられるでしょう。

こうしたタスク管理を実践していくことで、自然にgtdの考え方も、身についていきます。


gtdのタスク管理を導入することには、大きなメリットがいくつもあります。

今まで「気になること」を覚えておくために使っていた脳の機能を、タスクの達成のためだけに最大限向けることができるようになり、タスクを次々と達成していく感覚も味わえることでしょう。

gtdのシステムによって、自分の抱えている仕事やタスク、他人に任せたことなどの一覧があることで、あなたが抱えている「やるべきこと」の全体像を把握できるようになります。

現代のすさまじい忙しさに追われる仕事環境の中でも、やるべきことの全体像が把握できていれば、大幅にストレスが解消され、仕事に落ち着いて向き合うことができるはずです。

仕事の管理でミスをすることなく、効率的にタスクを達成できるようになり、仕事が終わるのが速くなり、自分の時間を取り戻せることも、大きな利点です。


gtdにはたくさんのメリットがあるものの、システムの管理のために、要行動やコンテキスト、プロジェクトなど、さまざまなリストをつくり、最新に保つ煩雑さがあります。

nozbeを使うことで、gtdの管理のためのさまざまな過程が、自動化できるので、面倒なことが大幅に減り、メリットだけを享受できるようになります。


gtdを初めて実践する人、一度やったが挫折したという人に、nozbeによるタスク管理は、簡単に始めることができる上に、絶大な効果を実感できる、おすすめの方法です。



※nozbeのアカウントを、まだ持っていない場合は、以下の公式サイトへのリンクからアクセスし、1か月の無料トライアルを登録できます。

nozbe公式サイト


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