4つめのステップとなる「更新」は、gtdのシステムを維持するためのステップです。新たな「気になること」を把握しなおすなど、システムを最新の状態に保つことで、gtdのシステムを信頼できるようになります。
更新をやらないとどんな弊害があるか
gtdで「気になること」をすべて把握し、取るべき行動に応じたリマインダーを各タスクに設定すると、「仕事や生活で必要な『気になること』をすべて、きちんと把握し、整理できた」という、スッキリ感を得られるはずです。
しかし、こうしてシステムが整っても、時間がたつと、新たな「気になること」や、やるべきタスクが、身の回りに次々と発生していきます。
こうした新しい状況にシステムが対応していないと、やるべきタスクが把握できていなかったり、取るべき行動のリマインダーが設定されていなかったり、頭のなかには「気になること」があふれかえってしまうなど、gtdを始める前の状態に、徐々に戻ってしまいます
必要な頻度で、システムを状況にあわせて、更新する必要があるのです。
『初めてのgtd』では、更新のステップの意義をこう書いています。
「頭が『これは覚えておかなくては』というムダな努力をしなくても済むように、行動が必要かもしれないことはすべて適切な頻度で確認し、更新していかなくてはならない。そのときどきで自分が何をすべきかについて自信をもって判断していくには、すこし上のレベルの視点から定期的に仕切りなおす必要がある。私自身の経験、そして私が指導してきた多くの人たちの経験からすると、そのためのカギを握るのが週次レビューだ」(P86)
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更新では、何をやるのか
gtdの最初の3つのステップである、把握、見極め、整理を、定期的にやり直すのが、更新=レビューの作業です。
簡単な更新として、1日1回など、日常的に3つのステップのうち一部を実行します。
noozbeなら、実行済みのタスクが達成済みのマークをつけずに残っていないか、タスクを実行したらプロジェクトの次の行動は設定されているのか、などをチェックします。
また、頭の中に生じた「気になること」はそのたびに、nozbeのインボックスに入れておきます。
インボックスを開いて、早めに達成するべきタスクが書き込まれていないかチェックし、2分ルールで実行してしまったり、あるいは必要に応じて見極め、整理をしてリマインダーを設定するのも、日次レビューの大事な作業です。
こうした日次でのレビューだけでなく、週に一回、先の三つのステップを徹底的にやり直すのが、週次レビューです。
この週次レビューが「更新」ステップの最も大事な作業です。
週次レビューで、やることを『はじめてのgtd』では、こう述べています(p87)。
・やらなければならないことを把握し、どうすべきかを見極める
・システム全体を見渡す
・リストを更新する
・すべてのものについて、済んだものは処分し、情報を更新する
これを見て、わかるように、gtdの3つのステップをすべてやり直し、自分の周囲の最新の状況にあわせて、gtdのシステムを整備しなおすのが、週次レビューです。
『はじめてのgtd』では、週次レビューの効果をこう述べています(p265)
「週次レビューとは、簡単に言ってしまえば頭を再び空っぽにし、先の数週間を見据えた態勢を整えるための作業だ。(週次レビューによって)はじめて、『できていないことはすべてわかっているし、その気になった時には実行できる』という確信を持つことができる」
更新の際に、何に気をつけたらよいか
「更新」は、アレンもそう書いているように、gtdにおいて、かなり難関なステップです。
gtdを始めたものの、続かない原因の一つが、週次レビューなのではと思います。
それは、gtdを始めたいと思うような忙しい人ほど、週に一回、一定の時間を週次レビューに割くことが難しいためです。
続けるためのコツは、自分の仕事スケジュールに合わせて、「週末の1時間」とか、「週一回の大事な会議が終了後の2時間」など、スケジュールを決めてレビューすることを習慣化することです。
週次レビューは、「初めてのgtd」の260ページ~あたりに書いてあるような方法を、すべて徹底的にやれば、数時間はかかる場合もあります。
私自身は、毎週、それだけの時間を取ることはできない環境で働いているので、毎週、必ずやらなくてはいけない週次レビューの項目を決めて、30分から、長くても1時間弱でできる、コアとなる短縮版の週次レビューを、毎週やるようにしています。
普段の基本的な週次レビューはこのコアの短縮版にしておき、数か月から半年に一回、「今週は数時間、レビューにあてられる」という日に、徹底的なレビューを行います。
このように、自分の仕事環境にあわせて、毎週、実行できる週次レビューの在り方を決めるのが、gtdを続けるコツです。
先の文章でアレンが書いているように、週次レビューをすると頭がスッキリと空っぽになり、次の1週間の仕事への活力が生まれます。
その気持ちよさを毎週味わっていれば、食事後の歯磨きと同じように、週次レビューが「やらないと気持ち悪い」ものとして習慣化するはずです。
また、普段から、こまめにインボックスを整理して置いたり、ノートに何か書くときに「週次レビューで見るべきこと」を見やすくする目印を決めておくなど、週次レビューの負担を軽減するように心がけることも、大切です。
こうした短縮版の週次レビューの実際や、関連するテクニックなどは別記事で紹介します。
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nozbeでの週次レビューは
gtdのタスク管理アプリnozbeで週次レビューをする際は、テンプレートの機能を使うと便利です。
テンプレートの機能は、繰り返し実行するプロジェクトや、タスクについて、作業手順などをタスクの形で登録しておく機能です。
「初めてのgtd」の手順をもとに、自分の仕事環境にあわせた週次レビューの手順を、テンプレートで保存しておきます。
「雑多な紙を集める」
「ノートをチェックする」
「企画会議の資料を見直す」
「カレンダーの過去分と未来分を見る」
など、自分なりの週次レビューの手順を考え、テンプレート化します。
その際、先ほど書いたように、徹底的に週次レビューをする場合のテンプレートと、30分前後で終わらせられるような短縮版の週次レビューの手順のテンプレートと、両方をつくっておくと便利です。
レビューを実行する際には、テンプレートから週次レビューのプロジェクトを作成し、タスクを実行する形で作業します。
テンプレートは新しいタスクを加えたり、順番を変えたり、自由に編集できるので、週次レビューを実際にやってみて改良すべきことが見つかったり、仕事の変化で新しくチェックするべき項目ができたら、テンプレートに反映しておきます。
よりスピーディーに、また、必要な「気になること」やタスクを見落とすことなく、週次レビューをする手順をテンプレートの形でつくり、向上させていくことで、効率的で完全な週次レビューができるようになっていきます。
更新をすることの効果
アレンが書いているように、更新を定期的にやることで、初めてgtdのシステムが新しい状況に合ったものになり、「できていないことはすべてわかっているし、その気になった時には実行できる」という確信を持つことができます。
更新を怠ると、だんだんとgtdによって得られたストレスフリーの環境、仕事をコントロールできているという確信が失われ、「気になること」が周囲にあふれかえった状態に戻ってしまいます。
gtdを続けるうえで、肝となる更新のステップですが、定期的に時間と手間をかける必要があるため、習慣になるまでは更新のステップを怠ることになりがちです。
短縮版の更新を決めておくことや、普段から更新を楽にするための作業を意識してやるなどの工夫で、gtdを続けやすくなります。
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