机にさまざまな書類が山積みになっていたり、引き出しに未整理のままの資料がごちゃごちゃに入っていたり、書類の整理は悩ましい課題です。gtdの考え方を生かすと、3段トレーと色付きクリアファイルを使う2つのコツで簡単に書類が整理できるようになります。
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どんな人に便利なコツか
仕事をしていくうえで、タスクや業務の依頼文だったり、会議の資料など、日々、手元に来る多くの書類の整理は大切な課題です。
忙しい人ほど、書類を整理する時間が取れず、机の上に山のようにつんだままにしておく、というようなことになりがちです。
また、書類を整理しようと引き出しの奥にしまっておいたら、その書類に関連するタスク自体を忘れてしまって、締め切りが過ぎてしまったり、実行が遅れたことで怒られた、といった経験も多くの人が持っているでしょう。
gtdでは、書類などをうまく整理しながら、書類に関連するタスクや業務を忘れずに実行できる「ワークフロー」という考え方があります。
そのワークフローの考え方で、書類をうまく整理するコツが、3段トレーと色付きクリアファイルを使うことです。
gtdのワークフローとは
gtdのワークフローは、書類やメールの整理に関する考え方です。
書類やメールそれ自体を、タスクのリマインダーとして使い、管理、整理する方法です。
アレンの「はじめてのgtd」では214ページあたりから、書類とメールそれぞれについて、ワークフロー管理の方法を解説しています。
アレンが書いているのは、基本的な方法と考え方なので、自分自身の仕事環境にあわせて、それぞれのやり方でワークフロー管理の考え方や方法を具体化する必要があります。
私自身が、メールでどのような考え方と方法でワークフロー管理をしているか、詳しくはこの記事に書いています。
私のワークフローの詳しい考え方は先ほどの記事にあるので省略し、書類の整理に関するワークフローの具体的な流れは以下のようになります。
①自分のところにもたらされるすべての書類を、とりあえず入れておく「インボックス」をつくる
②インボックスは定期的に空にする。空にする際は、インボックスにある書類や情報をすべて処理するのではなく、以下のように別のフォルダに仕分けていく。
③インボックスにある書類を2分以内の行動で処理できる際(書類に基づいて、簡単な電話をする、簡単なメールをするなど)は、その行動をとってしまう。2分以上かかる行動が含まれるものは、「要行動」のフォルダに入れる。
④インボックスにある書類の内容を読み返して判断する必要があるときは「評価」のフォルダに入れる
⑤自分で行動を取る必要はないが、他人が行動を取る必要があり、数日後にその進行状況をチェックする必要があるといった書類は「連絡待ち」フォルダに入れておく
⑥いまは行動を取る必要がないが、現在進行中のプロジェクトに関係しており、将来、行動が必要になったり、参照したりするかもしれない書類は「プロジェクト」フォルダに入れておく
⑦いまは行動を取る余裕がないが、いつかやりたい行動が含まれる書類は「サムデー」に入れる
⑧読むだけで行動を取る必要がなくなった書類は、必要に応じてアーカイブ(保管が必要な書類は書庫などに整理)するか、廃棄する
⑨インボックスの書類をすべて見極めて空にしたら、「要行動」「プロジェクト」「評価」などのフォルダにある書類を見て、必要な行動などがあれば、それを実行していく
色つきクリアファイルで管理する
ワークフローによる書類の管理には、上記のように七つのフォルダや入れ物(場所)が必要になります。
受信箱(インボックス)のほか、評価、要行動、連絡待ち、プロジェクト、サムデー、必要なくなったものを保存するアーカイブ(または、廃棄したり、ファイリングして保存する場所)です。
私のおすすめは、色付きのクリアファイルを6色買ってきて、それぞれのフォルダに使うことです。
私の場合、インボックスは黄色、評価は青、要行動はオレンジ、連絡待ちは赤、サムデーは緑、プロジェクトは紫のファイルを使っています。
色つきフォルダを使うことで、それがワークフローのどの段階にあたる書類をいれたものか、一目でわかります。
書類の整理では、後で書くように3段の書類トレーと併用しており、引き出しなどにしまう必要がある機密性のある書類や、処理に一定の日数が必要で保管期間が長くなる書類は色付きクリアファイルで、その他の書類は三段トレーでワークフローを管理しています。
クリアファイルの良さは雑多な大きさの書類を統一化できること
クリアファイルのよいところは、大きさが違う紙や、メモ、CDやUSBメモリなど、細かいものも収納して、統一して簡単に管理できることです。
同僚から渡されたちょっとしたメモなどを、そのまま、リマインダー代わりにクリアファイルのなかに入れておくことができます。
また、要行動やプロジェクトなどのフォルダには、例えば関係の取引先ごと、案件ごとなど、一つにまとめておきたい書類が多くあります。
その場合は、関係する書類を無色のクリアファイルにまとめて入れて、その無色クリアファイルを色付きファイルに逆向きに挟み込むことで、区分けしつつ、きれいに収納できるでしょう。
さらに、この方法の良いところとして、私が実行しているgtdのファイリングシステムと連動しやすことがあります(ファイリングシステムの考え方と、それを私がクリアファイルで実践している方法は、この記事に書いています)。
無色のクリアファイルに入れておくことで、必要な行動がなくなって、資料をファイリングするときは、簡単にクリアファイルごとファイリングシステムに入れることができます。
クリアファイルにもう保管する必要がない書類がないかをチェックし、付箋で見出しをつけて、ファイルの内容がわかるようにして、あとはファイリングシステムに並べれば、ファイリングによる整理も終了です。
クリアファイルの色分けによってワークフローの各段階がひとめでわかり、タスクのリマインダーとして書類を活用するとともに、タスクの終了後にはファイリングシステムに連動して保管、整理する流れにもそのまま移行できる、とても便利な書類整理のシステムです。
机が片づかないという悩みを持っている人には、ぜひ試してほしいおすすめの方法です。
三段トレーでスピーディーなワークフローを整える
書類の整理には、上記の色付きクリアファイルのワークフローに加えて、さらにスピーディーに処理するワークフローの流れとして、3段トレーを置くとよいでしょう。
書類のワークフローのためのトレーは、アレンの「はじめてのgtd」でもおすすめされているテクニックです。
以前、アレン本人が公開した、自信の仕事場の写真にも、書類の整理のためのトレーが置いてあります。
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アレンの仕事場。書類の整理のためのトレーが置かれている |
書類のワークフローで、特によく使うのが、受け取った書類などを最初に入れておく受信箱(インボックス)と、2分以上の行動が必要な書類を入れる要行動です。
さらに、処理済みの書類の中には、廃棄やアーカイブしてしまえばよいのではなく、次の部署などにまわしたり、あるいは、処理済みの書類として誰かに渡す必要がある場合があります。
次の部署に回すまで時間が必要だったり、その関係者が今は目の前にいない、という状況もありえます。
こうした処理済みで、次のところに回すだけ、という書類も三段トレーで処理します。
必要な準備は、百円ショップや、文房具店に売っている、重ねることができる書類トレーを三段に重ねて机に置くだけです。
そうすることで、以下に説明するように、書類を処理、整理するワークフローができ、山のような書類が机に積まれることはなくなります。
色付きクリアファイルを使わなくても、この3段トレーをやるだけでも、書類整理に大きな効果があるでしょう。
三段トレーの使い方は
三段のトレーの使い方は、それぞれ以下のようにします。
・一番上はインボックス
一番上の棚は、他の人が、書類を置いていったり、自分がどこかから持ち帰った書類を、とりあえず入れる受信箱(インボックス)にします。
インボックスに入っている書類は、たまりすぎないよう、日に何度か、取り出して処理をするよう心がけます。
処理といっても、その書類に関する仕事を済ませるということではありません(詳しくは、見極めと整理についての記事に)。
2分以内にできそうな行動なら、gtdの2分ルールに従って実行してしまいます。
それ以上、かかる行動は、自分で行動するべきか、他人にまかせるか、どのようなやり方で実行するかを判断し、それに応じたタスクを登録したり、書類の整理を行います。
・2段目は要行動
インボックスの書類を見極めた際、行動が必要で、その行動に2分以上かかるもので、一つか二つの簡単な行動をとれば、その書類に関する行動が終わるものを、ここに入れます。
色付きクリアファイルのワークフローの流れで処理するほど、複雑なタスクがあるわけではなく、スピーディーに処理してしまいたいものを管理するのが、三段トレーのワークフローです。
2段目の要行動の段に入っている書類も、日に何度か取り出し、関係するタスクを実行します。
書類に書かれていること自体が、作るべき資料や、かけるべき電話など、行動を思い出すための「リマインダー」になるので、仕事を忘れることがありません。
書類に関する行動を、確実に、かつ、スピーディーに実行することができ、タスクの達成効率が大きく向上します。
・3段目はアウトプット
3段目は、自分自身のとるべき行動は終わっている書類を置きます。
他人に渡すが、いま目の前にその人がいないので、来るまでおいておく、といった場合です。
また、職場での作業は終わり、家に持ち帰ったり、どこか次の部署、取引先などに持っていくだけというものも、とりあえずここに置いておきます。
書類に関する仕事を、他人にメールを送って依頼した場合に、その返事が来るまでの「連絡待ち」のリマインダーとして、書類を置いておくという使い方もできます。
アウトプットの棚が便利
このテクニックの特徴は、アウトプットの棚の存在です。
先ほども書いたように、日々、手元に来る書類の大半は、一つか二つの行動を取れば、それで処理済みになるものです。
処理が終わって、その書類自体を廃棄してしまえばよいならそれで終わりですが、次の部署に回したり、来週の会議にその書類を持っていく必要があったり、取引先との打ち合わせに必要だったり、処理済み後にもしばらく手元に置いておく必要がある書類が、よくあります。
それらを入れておくのが、3段目のトレーです。
アウトプットのトレーには、他人に渡すものや、外出時に持ち出すものなどが、専用で入っているので、渡し忘れや持ち出し忘れを防ぐことにもつながります。
色付きクリアファイルの本格的なワークフローとは別に、こうした簡単な行動を実行してしまえば処理済みになる書類を管理するワークフローの流れがあると、書類の整理に、とても役立ちます。
三段の書類トレーは、職場だけでなく、家にも置くとよいでしょう。
職場から持ち帰った書類や、家に来た郵便などは、とりあえずインボックスに入れておきます。
時間があるときに見極めをして、要行動やアウトプットに仕分けます。
書類のワークフローのメリットは
書類のワークフローが整っていると、少し時間が空いたら、すぐにインボックスにたまっている書類を見極めたり、要行動の書類から、いまできることを選んだり、と、効率的に時間を使えるようになります。
書類の処理が早くなることは、あなたが属するチーム全体に、良い影響を与えるでしょう。
特に、あなたが管理職の立場にいれば、チーム全体の業務の流れを劇的に早くすることにもつながります。
3段のトレーの設置と、色付きクリアファイルは、誰でも、すぐにでも始められ、書類を効率的に管理出来る仕事術、整理術です。
gtdのワークフローの考え方を生かし、書類の整理に悩む人が、いつでも簡単に始められ、少額の投資で、すぐに大きな生産性の向上を得られるおすすめのテクニックです。
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